最近、『グルテン』をテーマにお伝えをさせていただいていますが、今日はもうちょっと深くグルテンについて書いてみたいと思います。
まず、グルテンについてもう一度おさらいをすると、
「グルテン」とは、小麦やライ麦などの穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種で、パンや麺類などのモチモチ感や弾力感を出してくれる働きがあります。
うどんやパスタ、ラーメンなどの麺のモチモチ感がまさにそうですね。
最近になってなぜ、日本でもこのグルテンを摂らないようする「グルテンフリー」が注目されていますよね。
ハリウッド女優のジェシカ・アルバやミランダ・カーなどの海外のセレブやモデルたちが生活に摂り入れていることが話題になり、雑誌やテレビでは今でも特集として大きく取り上げられています。
また、最近ではプロテニスプレーヤーで現世界王者のノバク・ジョコヴィッチ選手が出した著書『ジョコヴィッチの生まれ変わる食事』がベストセラーになったことで、女性だけでなく男性にもこのグルテンフリーがさらに広がるきっかけとなりました。
日本の女優や俳優、アスリートでも積極的に取り上げてる方も年々増えているように感じます。タレントのローラさんや女優の有村架純さんもグルテンフリーをしていることで有名ですね。
ところで、この「グルテンフリー」はどこから来たのでしょうか??
それはアメリカです。
アメリカといえば小麦のイメージでしょう。
実際は2012年での小麦生産量は、中国とインドに続いて世界第3位なのですが、アメリカではピザやハンバーガーなどのパン食がメインのため消費量がダントツに多いんです。
同時に他国への輸出量も多く、ここ数年にわたって輸出量は世界第1位をキープしており、日本もアメリカからかなりの量の小麦を輸入しています。
そんなアメリカで今、問題となっているのが、「セリアック病」という免疫疾患の病気の一つです。
セリアック病とは、グルテンに対してアレルギーを持つ人がグルテンを含んだ食品を摂ると、免疫系が小腸の内膜を攻撃し内膜にある小さな突起にダメージを与えるため、小腸から栄養分を吸収できなくなります。
もう少し詳しく説明をすると、 グルテンの「グルー」とは、ラテン語のglue(接着)を語源としています。
これ、けっこう皆さん、知らないんですね。
パンや麺類などのモチモチ感や弾力性はこの接着剤のような特徴から来ているのですが、ここに一つ大きな問題があるんです。
じつは、このグルテンは消化しづらいタンパク質と言われていますが、そもそもグルテンを分解する消化酵素を私たち人間は、基本的に持ち合わせていないんです。
しかも、その消化しきれない状態のタンパク質は接着剤のような特徴から小腸の内側の粘膜、腸壁に張り付きます。
なんと、その張り付いたタンパク質は剥がれる時に小腸の粘膜に穴をあけてしまいます。
よく私たちが接着剤が指についてしまった時に、無理矢理に剝がそうとするとすると皮までベロンとめくれしまうことってないですか??
それと同じような状況が小腸の中で起きているわけです。
その空いてしまった穴にグルテンの未消化のタンパク質たちが入り込むのですが、その時にグルテンは異物とみなされて免疫反応を起こし、攻撃されます。
これがグルテンによって炎症を引き起こされたアレルギー反応となるわけです。
主な症状として、慢性の下痢や腹部の膨満感と痛み、貧血、疲労感などですが、これがグルテン不耐から来るものとはなかなか気付けない人が多いのが現状です。
今のところ残念ながら、セリアック病を完治させるための治療法はないと言われており、グルテンを含む食品を食べないようにするとしか、症状の悪化を防ぐ方法がないのが現状です。
ちなみにアメリカでは少なくとも1種類の食品にアレルギー反応を起こす人が1200万人といわれていますが、その中でも、小麦やライ麦などに含まれるこのグルテンに免疫が過剰反応を起こすこのセリアック病に苦しむ人々が年々増えており、アメリカではなんと100人に1人がこのセリアック病であると言われています。
日本でのセリアック病の患者率は約0.7%ぐらいで、アメリカとイギリスでは約1%だとも言われていますが、自覚症状のない人や自分は軽いアレルギーだと思っている人たちも数多くいるので、それらの人たちを含めると、私は実際は相当数にのぼり、これからも増え続けるのではないかと思います。
じつはこのグルテンによる問題は、「セリアック病」だけではなく、私たちが普段から抱えている様々な問題、慢性的な疲れや体調不良、脳機能の低下による認知症やアルツハイマー病、肥満や糖尿病などにも繋がっていることが最近の研究で分かってきました。
もしあなたが今、病院などに行って検査をしたのに原因が分からず、上記のような悩みや不安を抱えていたら、もしかしたらそれはグルテンの影響かもしれません。
次回から、その原因と対策について詳しくお伝えをしていきたいと思います。
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