「疲れが抜けない40代経営者」こそ実践すべき、1日の整え方5選

なぜ「40代経営者」は疲れが抜けないのか

朝、目覚めても体が重く感じる。

休みの日もなんとなく気が張っていて、リラックスできない。そんな“抜けない疲れ”に悩む40代経営者は少なくありません。

若い頃のように一晩寝れば回復する――そんな単純な時代は過ぎ去りました。

しかし、その原因は「年齢」ではなく、“整っていない1日のリズム”にあります。

経営者の1日は、思考と判断の連続です。

常に脳が働き続け、リラックスする隙を与えない。交感神経が優位な状態が続くことで、自律神経のバランスが崩れ、体が本来持つ回復力が発揮されなくなってしまうのです。

頑張ることよりも、「整えること」。この意識の転換が、40代からのパフォーマンスを大きく変えていきます。

経営者の疲れが抜けにくい3つの背景

まず理解しておきたいのは、疲労には「肉体疲労」と「脳疲労」の二種類があるということ。経営者の多くは後者――つまり、考えすぎによる脳の疲労が中心です。

脳は常に未来を描き、トラブルを予測し、判断を下します。夜になっても頭の中で会議を続けているような状態では、体は休んでいても脳は休んでいません。

さらに、夜遅い会食や不規則な食事、寝る直前までのスマホ操作。こうした習慣が体内時計を狂わせ、睡眠の質を下げてしまいます。結果として、翌朝に疲れを持ち越してしまうのです。

「疲れが取れない」と感じたら、それは単なる体力の問題ではなく、生活のリズムが崩れているサイン。そこに気づくことが、整える1日の第一歩です。

1. 朝：脳と体を“起動モード”にする

朝のスタートをどう切るかで、その日の集中力と判断力は大きく変わります。ポイントは、体内時計を整えて脳を起こすこと。

起床したら、まずカーテンを開けて自然光を浴びましょう。太陽の光は、脳の「視交叉上核」という部分に働きかけ、体内時計をリセットしてくれます。そのあと、常温の水を一杯。睡眠中に失われた水分を補うだけで、血流と代謝が上がり、体が動き出します。

朝食は、消化に負担の少ない軽めのものを。卵や魚、味噌汁など、タンパク質とミネラルを中心にとると、脳内の神経伝達物質のバランスが整い、午前中の集中力が持続します。

また、朝のコーヒーは起床直後ではなく、30分〜1時間ほど経ってからがベスト。このタイミングなら、自然な覚醒リズムを邪魔せずにカフェインの効果を最大限に引き出せます。

最後に、3分でいいので軽いストレッチを取り入れましょう。肩・首・股関節を動かすだけでも、血流が促され、“頭がスッと冴える感覚”を得られるはずです。

2. 昼：エネルギーの「質」を保つ

午後のパフォーマンスを決めるのは、昼の過ごし方です。会議や商談が立て込み、昼食をおろそかにしてしまう人も多いですが、それが午後の集中力を大きく左右します。

おすすめは、「血糖値の安定」を意識した食事。白米やパスタなど糖質中心のメニューは、一時的に元気になったように感じても、血糖値の急降下とともに強い眠気を招きます。魚・肉・野菜を中心とした“低GI・高タンパク”のランチが理想です。

食後は10〜15分の昼寝をとると、脳がリフレッシュされます。NASAの研究では、わずか26分の仮眠でパフォーマンスが34％向上したという結果もあります。もしオフィスで寝づらい場合は、目を閉じて深呼吸するだけでも構いません。

スマホを眺める「情報休憩」よりも、意識的に呼吸を整える「脳の休憩」の方が、その後の集中力に圧倒的な差を生みます。

3. 夜：疲労を翌日に持ち越さない

仕事が終わる夕方以降は、「交感神経から副交感神経へ」切り替える時間です。ここで無理をして夜遅くまで作業を続けると、せっかくのリカバリータイムを逃してしまいます。

軽いウォーキングやストレッチで血流を促すのが理想的です。体が温まると、筋肉にたまった疲労物質が流れやすくなり、自然とリラックスモードに入ります。また、サウナや半身浴もおすすめです。40度前後のお湯に10分ほど浸かり、寝る90分前に体温を下げることで、深い睡眠に入りやすくなります。

注意したいのは、夜の“3つの罠”。夜食、アルコール、そしてスマホです。特にスマホのブルーライトは、眠りを誘うメラトニンの分泌を抑えてしまいます。寝る前は照明を落とし、デジタルデトックスを習慣化することが、本当の意味での「休息」につながります。

4. 心を整える：1日1回“思考を止める”時間を

40代の経営者ほど、頭の中が常にフル回転しています。「次の会議でどう話すか」「明日の資金繰りは」――脳が休まる瞬間がないのです。

だからこそ、1日1回、“考えない時間”を意識的に作ることが重要です。数分間、静かに呼吸に集中するだけで構いません。マインドフルネス瞑想や、夜の散歩も効果的です。脳の興奮状態を鎮め、自律神経を整えることで、翌日の思考のキレがまるで違ってきます。

香りの力を借りるのも良い方法です。ラベンダーやベルガモットなどの精油には副交感神経を刺激する効果があり、仕事モードからリラックスモードへの切り替えをサポートしてくれます。

5. 「整える習慣」が経営者の最大の武器になる

経営者の仕事は、日々の意思決定の連続です。判断の質、集中力、創造力――これらは体調と密接に結びついています。どれだけ優れた戦略を持っていても、コンディションが崩れれば判断は鈍ります。

大切なのは、「頑張る」ことではなく、「整える」こと。朝の光で体を目覚めさせ、昼の呼吸でリセットし、夜にしっかりと回復する。このシンプルなサイクルを日々繰り返すだけで、疲れにくく、ブレない心身が手に入ります。

40代からは、“努力の量”よりも“リカバリーの質”。整った1日が、最高のパフォーマンスを生み出す一番の近道です。

まとめ：整える1日が、整った未来をつくる

疲れが抜けない――。それは、あなたの体が「休み方を変えてほしい」と訴えているサインです。

ビジネスの世界では、戦略やスピードが重視されがちですが、本当の競争力は“コンディション”から生まれます。朝の小さな習慣、昼の意識的な休息、夜の静かな時間。それらの積み重ねが、経営者としての思考の深さや判断の冴えを支えます。

いきなり完璧を目指す必要はありません。まずは今日、ひとつだけ整えることから始めてみてください。たとえば「朝の光を浴びる」「昼に3分間目を閉じる」「夜にスマホを手放す」――その小さな選択が、数週間後のあなたの体と心を確実に変えていきます。

“整った1日が、整った人生をつくる。”

その実感を、明日の朝から感じてみてください。