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執筆者の写真山崎 広治

バイオハッキング入門:経営者が知るべき身体と心の最適化戦略

更新日:9月14日

今回は、「バイオハッキング」という、少し未来的でありながら、現実の経営やビジネスで大きな成果を上げている手法についてお話ししたいと思います。特に、忙しい経営者や起業家にとって、パフォーマンスを高め、長期的に健康と仕事の質を両立させるために有効なアプローチです。


現代の経営者や起業家は、忙しい日々の中で常に重要な意思決定を求められ、ストレスや時間管理のプレッシャーにさらされています。そんな環境の中で、自分自身の体と心をベストコンディションに保つことが、ビジネスの成功に直結するのです。ここで役立つのが「バイオハッキング」。経営者や起業家のパフォーマンス向上に役立つ手法として今注目されている健康管理法です。


この記事では、この「バイオハッキング」を通じて、どのようにパフォーマンスを最適化できるのか、詳しく解説していきます。





バイオハッキングとは何か?

まずは、そもそも「バイオハッキング」とは何かを理解しましょう。 バイオハッキング」とは、科学的なデータや技術を使って、自分の身体や心を改善・最適化する方法を指します。これは、単なる健康法やダイエットの範疇を超え、最先端の技術を取り入れた、パフォーマンス向上のための戦略的アプローチです。


たとえば、食事や栄養の管理、定期的な運動、睡眠管理、サプリメントの活用、さらにはデジタルツールやデバイスを使って身体のデータを解析し、それを元にした改善策を講じることも含まれます。これにより、日々の集中力、体力、ストレス耐性を大幅に高めることができるのです。






経営者や起業家にとってバイオハッキングが重要な理由

次に、なぜ特に経営者や起業家にとってこの「バイオハッキング」が有効なのでしょうか?


①ストレス耐性の向上

経営者や起業家は、多くのプレッシャーや責任を抱えています。決断の連続や長時間の働き方は、肉体的・精神的な負担を引き起こし、結果的にパフォーマンスの低下を招くことがあります。「バイオハッキング」を通じて、自律神経を整え、ストレスに強くなる方法を身につけることで、こうした過酷な環境でも集中力を持続し、高い判断力を維持することが可能です。


②体力と集中力の持続

食生活や運動習慣の改善、さらにデジタルツール、脳波系デバイスや瞑想用アプリなどを活用することで自分の体調を定期的にモニタリングすることができ、体力や集中力を持続、または向上させることができます。これにより、日々の疲労を感じにくくなり、短期的にも長期的にも仕事の質も高まるようになります。


③睡眠の質の向上でクリエイティビティをアップ

睡眠は、経営者や起業家にとって非常に重要な要素です。「バイオハッキング」では、自分の睡眠の質を向上させるための方法やツールを効果的に使うことが多くあります。これにより、次の日のクリエイティビティや問題解決能力が向上し、効率的に仕事を進めることができるようになります。






具体的なバイオハッキングのアプローチ

それでは、具体的にどのようなバイオハッキングが実践できるのか、いくつか代表的なアプローチを紹介します。

1. 食事と栄養管理

バイオハッキングの目的は、身体と心のパフォーマンスを最大限に引き出すこと。特に食事と栄養管理は、バイオハッキングの重要な要素のひとつです。今回は、食事と栄養管理を通じて健康を最適化する方法についてご紹介します。

① リブレ(Freestyle Libre)で血糖値をリアルタイムでモニタリング

血糖値はエネルギーの供給源であり、安定した血糖値は集中力やパフォーマンスに大きな影響を与えます。リブレを使用することで、食事後の血糖値の変化をリアルタイムでモニタリングでき、自分の身体に最適な食事やドリンクなどのタイミングを見つける手助けになります。例えば、高糖質の食品が血糖値を急激に上昇させる場合、これを避けることでエネルギーの持続性が向上し、集中力や生産性が改善されるでしょう。



② VITANOTEで栄養の過不足を把握

日々の食事で摂取する栄養素のバランスを保つことは、健康の維持に不可欠です。VITANOTEは尿を分析し、体内の栄養素の状態をチェックするツールです。これにより、ビタミンやミネラルの不足や過剰を把握でき、必要な栄養素を効率的に補うための具体的なアドバイスがアプリ上で受けられます。例えば、鉄分やカルシウムの不足が検出された場合、適切な食品やサプリメントがアプリで見ることができ、自分だけのサプリメントもカスタムして自宅に届けてもらうこともできます。



③ 遅延フードアレルギー検査で自分に合った食材を選ぶ

遅延型フードアレルギー検査を活用することで、自分の体が反応する食材を特定できます。これにより身体に負担をかける可能性のある食材を避け、消化やエネルギーの状態を改善できます。例えば、小麦や乳製品に対する反応がある場合、これらの食材を減らすことで胃腸の不調や疲労感を軽減し、パフォーマンスを向上させることができます。



2. 睡眠の質の向上

良質な睡眠は、身体と脳のリカバリーに不可欠です。しかし、長時間の働きすぎやストレスが原因で、睡眠の質が低下することはよくあります。ここでは、いくつかの「バイオハッキング」を活用した睡眠管理法をご紹介します。

① OURA RINGで睡眠の質を科学的に分析

OURA RINGは、睡眠の質を正確に解析し、効果的に日々の睡眠管理をするための革新的なデバイスです。リストバンド型のデバイスとは異なり、指にはめるリング型のデザインで、夜間の心拍数、体温変動、睡眠ステージを詳細にトラッキングします。これにより、以下のような情報が得られます。

  • 睡眠ステージの分析:深い眠りと浅い眠り、REM(レム)睡眠の割合を測定し、各ステージが健康にどう影響しているかを把握します。

  • 心拍数のトラッキング:睡眠中の心拍数の変動を分析し、ストレスレベルやリカバリーの状態を評価します。

  • 体温の変化:体温の変動をモニタリングし、体調や睡眠の質に対する影響をチェックします。

これらのデータを元に、自分の睡眠パターンを理解し、改善点を見つけることができます。



② スマートウォッチでの睡眠トラッキング

スマートウォッチも、睡眠の質を測定するための強力なツールです。

FitbitやApple Watchなどのスマートウォッチには、主に以下の機能があります。

  • 睡眠サイクルのトラッキング:睡眠の深さやステージを分析し、睡眠の全体的な質を評価します。

  • アラーム機能:最適なタイミングで目覚められるように、睡眠のサイクルに合わせたアラームを設定できます。

  • データ分析とアドバイス:睡眠のデータを収集し、パフォーマンス向上のための具体的なアドバイスを提供します。

これにより、自分の睡眠の傾向を把握し、生活習慣の改善点を見つける手助けになります。



③ 瞑想アプリでリラックスした眠りをサポート

今さまざまな瞑想系のアプリがあり、スマートフォンのアプリストアからもダウンロードすることがでいます。その中でも私がおすすめなのはCalmというアプリです。リラクゼーションと睡眠導入をサポートするアプリで、さまざまなヒーリングミュージックを選んで聴くことはできます。主に以下の機能があります。

  • 瞑想ガイド: 瞑想や呼吸法のガイドがあり、心を落ち着けるための練習を提供します。これにより、リラックスした状態で眠りに入ることができます。

  • 睡眠ストーリー: リラックスできる睡眠ストーリーや音声ガイドがあり、眠りをサポートします。

これにより、心身の緊張を解消し、より質の高い睡眠を促進します。



④ 脳波計デバイスで脳波をトラッキング

脳波計デバイスも今や今はさまざまなものがありますが、私が中でもおすすめなのはFocuscalmとMuse2です。これらは、瞑想中の脳波を測定したり、集中とリラックスの度合いを可視化することができるデバイスです。主に以下のような機能があります。

  • 脳波の分析:脳波の状態をリアルタイムでトラッキングし、リラックス状態やストレスレベルを把握します。

  • フィードバック機能:リラックス状態を維持するためのフィードバックを提供し、睡眠の質を向上させるサポートをします。

  • トレーニング機能:集中やリラックスそれぞれのテーマに合わせたゲームが多数用意されており、楽しながら集中力やリラックス度を高めることができます。


また、光の管理人間の体は光に大きく影響されます。特に、夜遅くに明るい光を浴びると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑制され、寝つきが悪くなります。就寝前専用のブルーライトカットのメガネや寝室の照明を時間に合わせて自動的に目に優しい暖色系に変更してくれるライトなどもおすすめです。



3. 運動・トレーニング

運動やトレーニングは、単に体力をつけるだけでなく、脳の働きも良くします。特にデスクワーク中心のビジネスパーソンにとって、運動やトレーニングはパフォーマンス向上に欠かせません。経営者や起業家にとって、効率的な運動やトレーニングは健康維持だけでなく、ビジネスパフォーマンスの向上にも直結します。テクノロジーの進化により、運動の質を高め、最適なトレーニング効果を得るための手法が豊富に揃っています。ここでは、心拍数モニタリングをはじめとした「バイオハッキング」を紹介します。


① 心拍数モニタリングでトレーニング効果を最適化

心拍数モニタリングは、運動中の心拍数をリアルタイムでトラッキングし、トレーニングの強度を調整するのに役立ちます。心拍数を基に運動強度を適切にコントロールすることで、効果的なトレーニングが可能となり、無駄な疲労や過剰なストレスを回避できます。例えば、WHOOP StrapやPolar H10などのデバイスは、心拍数のデータを精密に測定し、最適なトレーニングゾーンを維持するためのガイドを提供します。


② AIによるパーソナライズドトレーニングプラン

AIを活用したトレーニングアプリは、一人ひとりのフィットネスデータや目標に基づいて、パーソナライズされたトレーニングプランを作成してくれます。これにより、各個人に最適なエクササイズを提案し、目標達成に向けて効率的にサポートしてくれます。特に、忙しい経営者や起業家にとって、限られた時間で最大の効果を得るためには、こうしたパーソナライズドプランが非常に有効です。


③ バイオフィードバックと回復のサポート

バイオフィードバックデバイス(例: Muse 2、HeartMath)を用いることで、心拍数や脳波をトラッキングし、ストレス管理や回復をサポートします。運動後のリカバリーを効果的に行うために、筋肉の緊張をほぐすマッサージガンを活用したり、12℃前後の水に2~15分間浸かるアイスバスなどもおすすめです。これにより、疲労回復を促進し、次回のトレーニングに向けて身体を整えることができます。


これらのテクノロジーを駆使することで、運動やトレーニングの効果を最大化し、パフォーマンスを向上させることができます。特に忙しい経営者や起業家にとって、これらのバイオハッキング手法は、健康維持とビジネスの成功に直結する重要な要素となるでしょう。





バイオハッキングを取り入れた経営者や起業家たち

特に海外では「バイオハッキング」を実践している経営者や起業家がとても多く、自ら実践していること、その効果についてもさまざまなメディアや著書などで語っています。中でも有名なのが、X(旧Twitter)の元共同創業者ジャック・ドーシーやバレットプルーフ社創業者のデイヴ・アスプリー、Facebook初代CEO / ナップスター創業者のショーン・パーカー、IT富豪のブライアン・ジョンソン、Googleの共同創業者のセルゲイ・ブリンなど。

それ以外も多くの経営者や起業家が自分自信の脳や身体を最適化し、パフォーマンスを最大化させるために投資をしています。日本でも「健康投資」という言葉が一時流行り、サプリメントや食事、トレーニング、睡眠ケアなどを積極的に取り入れる経営者や起業家の方々も増えてきましたが、海外と比べるとまだまだという感じはします。ただ、健康や予防医療という枠を超えて、ビジネスや経営を発展・成長させていくためには身体が資本という考え方はもちろん、いかに効率的に最大限のパフォーマンスを発揮して日々仕事ができるか。日本もまさにこのような考え方や取り組みがもっと広まっていくように感じます。





小さな習慣から始めよう

「バイオハッキング」というと、何か特別な技術や高価なデバイスを想像するかもしれません。しかし、実際には誰でも、手軽に始めることができる手法がたくさんあります。特に経営者や起業家のような忙しい生活を送る方にとって、時間やコストを無駄にせず、効果を実感できる方法を選ぶことが大切です。ここでは、まず始めやすいポイントをいくつか紹介します。

1. 小さなステップから実行しよう

「バイオハッキング」は、一度に全てを取り入れる必要はありません。まずは自分に合った小さな習慣を一つずつ取り入れてみましょう。例えば、毎朝10分だけ早起きしてアプリを使って瞑想を行うことや、夜にスマートフォンのブルーライトをカットするメガネを使ってみることなど、シンプルなことから始められます。これらの習慣が、徐々に大きな変化をもたらすでしょう。


2. 自分の身体を観察し、データを活用する

次に、自分の体の状態をしっかりと観察することが重要です。現代では、スマートウォッチや睡眠トラッカーなどを使えば、毎日の体調データを簡単に記録し分析できます。このデータを活用して、自分のパフォーマンスを客観的に評価し、改善点を見つけることができます。例えば、睡眠時間を見直すことで疲労感が軽減されるかもしれませんし、運動量を増やすことで集中力が向上するかもしれません。


3. 継続が成功のカギ

「バイオハッキング」の成功のカギは継続です。どれほど優れた手法やツールを使っても、短期間で結果が出るわけではありません。小さな変化を日々積み重ねることが、長期的な効果に繋がります。最初の数週間は変化を感じないかもしれませんが、1か月、3か月と続けることで、着実に体調やパフォーマンスに改善が見られるはずです。特に、睡眠や食事、運動などは、長期的な習慣として継続することで、大きな成果を得ることができます。


4. 自分の目標を明確にする

「バイオハッキング」を成功させるためには、明確な目標を設定することが大切です。たとえば、“もっと集中力を高めたい” “疲れにくい体にしたい” “決断力を高めたい”など、具体的なゴールを持つことで、日々の改善のモチベーションが保たれます。また、その目標に基づいて、適切な「バイオハッキング」の手法を選ぶことができるので、自分のライフスタイルや仕事の状況に合ったものを取り入れていきましょう。


5. 他者の成功例から学ぶ

最後に、他の成功した経営者や起業家が実践している「バイオハッキング」の方法を参考にすることも重要です。彼らの成功例を学び、自分に合う部分を取り入れてみることで、効率的に結果を得ることができるでしょう。たとえば、すでに紹介したジャック・ドーシーやデイヴ・アスプリーのようなバイオハッカーたちの習慣を参考にすることで、自分に合った方法を見つける手がかりになるかもしれません。





まとめ

経営者や起業家は、常に変化するビジネス環境に対応し、リーダーシップを発揮しなければなりません。そんな中で、自己管理能力を高め、パフォーマンスを最適化するためには、「バイオハッキング」は非常に有効な手段です。


しかし、重要なのは、短期的な効果に頼るのではなく、持続可能な方法として、無理なく取り入れていくことです。少しずつでも、自分に合った習慣を見つけ、続けていくことで、身体的・精神的なバランスが取れ、最終的には仕事の成果も大きく向上することでしょう。


これからの経営者や起業家にとって、「バイオハッキング」は単なる健康法ではなく、成功をサポートする戦略的なツールです。ぜひ、今日から小さな一歩を踏み出してみてください。そして、その成果を仕事や人生に反映させ、最高のパフォーマンスを引き出しましょう。



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