ヘルステック・スポーツテック・ブレインテック最新ニュース(2025年12月第2週)
- 山崎 広治

- 2025年12月26日
- 読了時間: 5分
こんにちは、KDMの山崎です。
今回は、少し前にはなりますが、2025年12月第2週で気になったヘルステック、スポーツテック、そしてブレインテック業界の最新ニュースをまとめてみました。
今週はテクノロジーと健康・スポーツの融合が一気に加速していることを感じさせるニュースが目白押しです。
オムロンによる心電事業のグローバル戦略から、世界初の「馬用ウェアラブル」、さらには鼻に入れるだけで睡眠を改善する未来のデバイスまで、注目のトピックを解説していきます。

1. ヘルステック:医療現場と介護の課題を解決する新技術
今週のヘルステック分野では、大手企業の戦略転換と、介護現場の課題を解決するスタートアップの技術が注目を集めました。
オムロンヘルスケア「脳・心血管疾患の発症ゼロ」へ
オムロンヘルスケアが掲げる新ビジョン「Going for ZERO(脳・心血管疾患の発症ゼロ)」に向けた具体的な動きが加速しています。
インドのAI企業「トライコグヘルス社」へ追加投資: 心血管疾患が深刻化しつつも医療インフラが不足しているインドにおいて、AIによる心電図解析サービスを展開。より多くの人に医療を届ける体制を強化しています。
国内事業「ハートノート」の承継: JSRから長期ホルター心電図検査サービス(24時間以上の心電図記録)を承継。これにより、家庭用血圧計だけでなく、医療現場で活用される本格的な心電図事業へ参入を果たしました。


センサーレスで見守る「きづなろ」が最優秀賞
「ヘルステック・サミット2025」にて、介護予防テックの「きづなろ」がピッチコンテスト最優秀賞を受賞しました。
壁に貼るだけで動作解析: ウェアラブルデバイスのように装着する必要がなく、壁に設置したセンサーだけで高齢者の骨格や日常生活動作をデータ化します。
介護人材不足へのソリューション: 2025年には約243万人の介護職員が必要とされる中、深刻な人手不足を補い、転倒リスクや体調変化を検知する技術として期待されています。

2. スポーツテック:ニッチ市場への進化とAI活用
スポーツテック分野では、対象が「ヒト」以外にも広がりを見せているほか、AIによる解析技術がより手軽になっています。
ガーミンがCES 2026で5部門受賞
アスリートに人気のガーミンが、非常にユニークな専門デバイスで評価されています。
世界初「馬用ウェルネスデバイス」: 競走馬や乗馬用馬の心拍数、体温、活動量をモニタリング。アスリートとしての「馬」の健康管理と怪我予防を実現します。

ダイビング用通信ブイ: 水中でダイバー同士がコミュニケーションを取れるデバイス。 一般的なフィットネス市場だけでなく、ニッチかつ専門性の高いスポーツ市場への深化が見て取れます。

AIとウェアラブルの融合
Metaが「Limitless」を買収: 日常の会話や体験を全て記録・要約する「AIメモリー」搭載ウェアラブルを開発するスタートアップを買収。「あの時何を話したっけ?」をAIが補完する未来が近づいています。
OpenAIの動向: 軽量でタスク特化型のデバイス開発に焦点を当てており、AI端末競争が激化しています。

パフォーマンス解析とチーム運営の進化
スマートすねガード市場の急成長: すね当てにセンサーを内蔵し、パフォーマンスや衝撃を測定。2031年までに年平均27.7%の成長が予測されており、特にサッカーのジュニア世代での怪我予防に期待されています。

画像解析AI「Theia」: 特別なセンサー不要で、スマホなどのビデオ映像からバットの3D軌道やバイオメカニクスを解析。プロレベルの分析がアマチュアにも普及する可能性があります。

3. ブレインテック:脳とPCをつなぐ「非侵襲」技術
今週個人的に最も注目したのはブレインテック分野です。外科手術を伴わないアプローチが急速に進歩しています。
「切らない」BCI(ブレイン・コンピューター・インターフェース)
非外科的BCIスタートアップのSubsenseが、追加で1,000万ドルの資金調達を実施(総額2,700万ドル)。 イーロン・マスク氏のNeuralinkが頭蓋骨を開ける外科手術を必要とするのに対し、Subsenseはナノ粒子ベースの技術を用い、注射などの非侵襲的な方法で脳とコンピューターを接続する研究を進めています。リスクとコストが下がれば、BCIの普及が一気に進む可能性があります。

鼻に入れる睡眠デバイス「Lume」
イェール大学出身の研究者が開発した「Lume」が話題です。
8分間の使用で睡眠革命: 寝る前に鼻腔内にデバイスを8分間装着するだけで、ニューロテクノロジー(脳変調技術)により、深く速やかな入眠を促します。
薬を使わないソリューション: 睡眠薬の副作用や依存性を回避できる新たな選択肢として注目されています。日本人の5人に1人が睡眠に悩むと言われる中、実用化されれば非常に大きなインパクトをもたらすでしょう。

まとめ
今週のニュースを振り返ると、以下のトレンドが見えてきました。
オムロンが心電事業でグローバルかつ本格的な医療領域へ拡大。
ガーミンが「馬用」などニッチな専門分野へ深掘り。
MetaによるAIメモリー企業の買収など、ウェアラブル×AIが進化。
ブレインテックは「非外科的(手術なし)」と「薬を使わない介入」へ。
テクノロジーが単なる「測定ツール」から、人(そして動物)の能力を拡張し、健康課題を直接解決する「ソリューション」へと進化していることを強く感じます。
来週も最新の動向をお届けします。
YouTubeチャンネルでは、より詳しい映像や図解付きで解説しています。
ぜひチェックしてみてください!



コメント